AI Readyなリアル店舗を感じたリテールテック2025
もう何年目になるのか、毎年参加させてもらっているリテールテックに今年も行かせていただきました。
今年も最新のリテールテックサービスが数多く展示されており、特に AI活用に向けたリアル店舗のデータ化がすごく気になりました。
AI Readyなリアル店舗へ:AIカメラ・デジタルインカム・ダッシュボード
今年のリテールテックでは、 リアル店舗が「AI Ready(AI活用の準備が整った状態)」になりつつある という流れが感じられました。特に以下の技術の進化が目立ちました。
(1)AIカメラによる店内トラッキングが増えていきそう
- エッジAI搭載の小型カメラ:SONYから小型で低価格なエッジAI搭載カメラの登場
- 今年も顔認証推しなNEC:顔認証・顔認識を活用した行動分析や体験価値向上など
- カメラ付きロボットの違和感が薄らぐ:ANAが以前に発表されていたカメラ付ロボットのavatarinが店内巡回し、店内をリアルタイムトラッキングするなど
(2)デジタルインカムで接客状況もトラッキング
- 店内スタッフの会話をネット経由の高品質な音声通話に。これがAI分析されていく
- インカムで質問すると、マニュアルを読み込んだAIが音声で回答してくれる(昨年も見た覚えが)
(3)リアル店舗もECデータサイトのように可視化されダッシュボード化
- AIカメラやスタッフ音声にID-POSや入退場データ も連携して店内状況がデジタルツイン的に可視化される
- 店内状況のダッシュボード化により、顧客動線に加え スタッフの業務効率化にも利用される
他にもいろいろな見どころがありましたが、
印刷会社や制作会社のデジタルシフト
折込チラシやPOPなどの店内ツール制作を主業としていた印刷会社や制作会社が小売向けのシステムをサービス化していたり、ダイナミックプライシングに対応した電子棚札を提供していたり、デジタルサイネージをサービス化しているケースも多く目にしました。
もちろんTOPPANさんも小売企業向けのデータ管理システムPROMO COREなどを出展されていました。


ドコモやイオンの小売向けサービス展開
もちろん、ソフトバンクさんやKDDIさんも出展されていますが、インテージさんのサービスなども含めたドコモさんの小売向けサービスの充実度合いを感じ、小売業のDXを データ基盤の側面から支援する戦略が明確であり、非常に印象的 でした。
そして、小売企業のイオンさんが同業者向けに様々なサービスを提供されています。けっこう縦割りな印象があるイオンさんがグループをまたがって出展されていたのも興味深かったです。

- インテージを子会社化 し、小売データ活用の基盤を強化
- レシート情報を収集するアプリ を活用し、購買データを可視化
- dポイント・dクーポンと連携 し、顧客動向の分析・販促を支援

- 自社だけでなく 他の小売企業にも自社システムを提供
- 小売業者としてのノウハウを活かしたDX支援サービスを展開
省人化を支援するスマートレジ・スマートカート、小売での浸透が広がるリテールメディア
店舗運営の省人化を支援する技術も進化しており、東芝テックさんのブースではさらに便利に導入されやすいよう、痒い所に手が届く感じで進化 したスマートレジ・スマートカートも見れらました。おそらく、より小規模な店舗にも広がっていくと思います。
リテールテックではかなり以前から注目されていたリテールメディアは、シンボリックな大型ブースは見られませんでした。しかし、様々な企業のブースでデジタルサイネージ、小売アプリ、ID-POS連動Web広告 など様々なリテールメディアを取り扱われていました。小規模な小売企業でも導入可能なネットワーク型の店内デジタルサイネージもあり、リテールメディアもより多くの小売企業に浸透していくように思います。
日本の大手テック企業や海外BIGTechも
リテールテックでは多くのスタートアップ企業も出展されていますが、NEC、富士通、日立、シャープ、SONYなどの日本の大手テック企業も、Amazonやセールスフォースなどの海外BIgTechも出展されていて、様々な企業が注目する領域なことがよくわかります。
また、コロナ禍のころに比べて、やはりリアル店舗に向けた出展社が多くなっていて、EC系の出展社が減っているようにも感じました。
11時頃から入って、13時過ぎには見終わるかな?と思っていたのですが、15時頃までかかってもまだ見足りない状況でした。
やはり、販売促進や店頭、デジタルなどなどのリテールテック領域を自分が好きなんだなと、改めて感じました。
この辺りの領域の仕事も増やしていきたいと思いつつ、見るのに忙しくて営業的な活動はまったくできませんでしたが、株式会社カイダンや神谷克也にご興味いただけましたら、ご連絡いただけますと幸いです。